前回の続き
大学受験を機に、バンドを本気でやめたいと思っていたドラムの“のんちゃん”。困難を乗り越え、
どのようにして憧れのロックバンドと共演していき、
イギリスでレコーディングをするところまで成長して行ったのか。彼女たちの夢に迫りました。

THE TOMBOYSトムボーイズ

何か熱いものを求めてずっとドキドキする鼓動を忘れずにステージに立ち続けたいというモットーのもとに集いし女子4人組バンド!
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THE TOMBOYS


解散危機回避

のん
「私、昔から2つのことを器用にできなくて
今までは勉強そっちのけで欠点ギリみたいな状態で。(笑)
でも受験となると、どっちも並行しないといけないじゃないですか。
バンドのことを1番に考えることができなくなった時期があります…
それでは活動していてもメンバーに申し訳ないし、
だから辞めたいって…
勉強を優先させる自分がいて、みんなに申し訳ないって思って辞めたいって言いました。」
中川「え!どうやって説得したのですか?」
一同
「もう必死に止めました。(笑)」

マドカ
「今まで、ワーキャー騒ぐことはあったのですが、ひいちゃんはとにかく自分の満足いくまで時間をかけて、更にメンバーを巻き込んでくる。
逆にのんさんは前もってやりたい精神の持ち主で、対極な2人を中心にそれはもう…
何かをするときに計画性がないことで揉めたことがありました。
例えば、次のライブまでにここまで曲作ろうってなったときに
ひいちゃんは締め切りにけっこうぎりぎりで…
のんさんは「前もってやりたい」と言ってぶつかることもありました。
用意することがいつもより増えて、受験勉強も忙しく、そして曲も作ると。
ってなったときに、のんさんがパーンってなった感じですね。
4人で話しあっても、のんさんもひいちゃんも黙るんですよ(怒)
黙秘を続けるというか…まず気を使いながら私とじいじが口火をきります。(笑)
結局、向かう方向は変わらず同じで、この4人以外でやるという選択肢はなかったので、しっかり話し合いました。
もっと計画を立てることを約束して、その修羅場はなんとか乗り越えることができました。(笑)
また、受験が終わったらバンドを再開しようと決め、メンバーは勉強していきました。」
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(困難を乗り越えていく4人のチームワーク)

活動再開で全国ツアーへ

中川
「何が原因かを話しあって、今まで以上に団結力が強くなったんですね。
大学受験をそれぞれ乗り終えて、いつ再開したのでしょうか?」

のん
「もうバンドをやめるっていう選択肢はありませんでした。」

ヒナ
「大学に行くことが、バンドを継続できる条件だったと思います。」
マドカ
「2015年の3月にみんな受験が終わったことを機に活動を再開しました。
やっとライブができる!兎にも角にもライブということで何も考えずに決めました。それが3/11です。」
中川
「大学生活では、バンド活動でどんなことがありましたか?」
ヒナ
「4月にザ50回転ズのオープニングアクトを神戸のバリットで誘ってもらいました。
5月にも、ザ50回転ズ主催のイベントがあって、オープニングアクトをネットで募集していたので、応募してみました。
結果的に、選ばれて東京に行きました。
そのライブが終わってから8月に向けて「新しいCDを作ろうと」動き始めました。
そして、8月にタワレコにCDを置かせていただきました。
そのCDのツアーが10月まであり、ツアーは東京と、水戸、名古屋、岡山、大阪、京都と。
もちろん、移動は高速バスで。(笑)」

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(ライブ前は、高速バスで移動)

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(どこの会場でも力を出し切って…)

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(…爆睡。)

目標ノート

中川
「大学生になって、かなり活動の幅が広がったように思えるのですが、
活動を再開して、事が順調に進んでいく中でそれぞれどういうことを思っていましたか?」

のん
「わたしは次に次にと目標がほしかったです。
いつもライブが終わったら、「次どうしよかな」って。
うまいこといっているという満足感はなくて、「もっと上を」という気持ちでした。」

ワカナ
「4,5月も憧れのバンドとステージに立つことができ、個人的にめっちゃ嬉しかったけど、
同時に「次に行かないと」って思うようになっていました。
この時は、本当に受験後の反動もあってバンドを楽しんでいました。
また、お客さんの顔から楽しんでいると感じることができるようになっていました。」

ヒナ
「単純に嬉しくて、なんて言うんでしょう…
もともと「ザ50回転ズと一緒のステージに立つ」という目標があったのですが、
「目標に向かって意識して活動していたら、どんなことも叶えることができる」と初めて実感しました。
また、いろんなイベントに参加して、沢山の方と出会うことが増え、バンドとしても人としてももっと成長していこうと思うようになりました。」
マドカ
「「やったー!!」って感じです。(笑)
間違ってなかったんや、と確信しました。
自信はありませんでしたが、叶う感覚はありました。
というのも、
私は、スケジュール帳に「自分の叶えたい夢」を書いているのですが、
その一つに「ザ50回転ズと対バンする」って書いていたんです。
そこには、けっこう途方もないことも書いているんですけどね。
ダイエットのこととか。
20、30年後とかに叶いそうな夢を書いているんですけど
そこにはじめてチェックがついて、
いける!!わたしたちすごない!?ってちょっと思いました。(笑)
ダイエットの欄にはチェックつかないんですけどね。(笑)」
中川
「そういった目標ノートみたいな物をみんな持っているのでしょうか?」

一同
「持っています。」
のん
「別に合わせたわけじゃなく、みんな個人的にもっています。
なので、みんなノートの内容知りません。(笑)
夢よりも目標ノートですね。手帳に書き込んでいます。」

ワカナ
「中身はお互い見せたことないです。もし、拾われたら終わりです(笑)」

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イギリスでレコーディング1

中川
「それぞれが、目標を立てているんですんね!
ツアーを終えてからは、また新しい目標を立てたのでしょうか?」

マドカ
「ライブのツアーも無事に終わった頃に、「海外行きたくない?」みたいな話を神戸のVARIT.から頂いたんです。
私たちが留学に行ったことがあることを知っていたので、君ら行きたくないかみたいな感じで。
その話聞いたときは、行けるなら行きたいって思いました。
ただ、言われた時は実感が全くありませんでした。(笑)」

ワカナ
「まぁ行けへんやろなって思っていました。」

のん
「うんうん。めっちゃ軽〜い感じで言われたので流れるんやろなって思っていたら…」
ヒナ
「話は進んでいたみたいで…
なんか報告なしに、裏でずっとやっていて
「ロンドンいこか。レコーディングしに行こう。3月の後半あけといて」と言われたんです。(笑)
私たちの音源を送って、交渉してくださったワックスさん(VARIT.の店長さん)には本当に感謝しています。」
マドカ
「直前までなんのことか分からなくて、ほんまに行くんかなって思っていました。
で、いざ行くってなったときに
SEX PISTOLS (セックスピストルズ)のオリジナルメンバーのグレン・マトロックに
プロデュースをしてもらい、レコーディングすることが分かったんです!」
ヒナ
「楽曲提供ではなくて、自分たちの曲を持って行き、アレンジをしてもらう感じですね。」

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※Glen Matlock(グレン・マトロック)
イギリスの伝説のバンド『SEX PISTOLS』のオリジナル・ベーシスト
ピストルズの楽曲の半数以上を作曲し、ライブでも「ライアー」などでタイトにグルーヴするベースラインを弾いている。

THE TOMBOYSの名前の由来

中川
「かなりすごい人ですね。(笑)
これを機に名前を変えたのは理由があったのでしょうか?」
ヒナ
「もともとNoNameっていろんなものの名前に用いられているんですよ。
靴も服もバンド名も…いろいろです。(笑)
そこで、イギリスに行くことをきっかけに改名することにしました。
全員「ザ・〜ズ」に憧れていたので、その間に当てはまるものを考えていて…
「おてんば娘」という意味を持つ「TOMBOY」にしました!
他にも、
・ザ ムーニーズ
・ザ ウップス
・ザ メリーズなどがありました。ep36pt2-7

 

イギリスでレコーディング2

中川
「イギリスでのレコーディングはどうでしたか?」

のん
「レコーディングは2日間で、それが終わった後は、ライブに参加することが決まっていました。
そのレコーディングしたスタジオは相当有名なスタジオでワンダイレクションやレディガガも使ったことがあるスタジオだったんですが、そこまで緊張はしていませんでした。」
ワカナ
「「とりあえず曲を演奏して」
その後、グレンがアレンジしてくれるみたいな流れでした。」
マドカ
「レコーディング当日、グレンが遅れてスタジオに入ってきました。
パッと来て…」
ワカナ
「最初はグレンのことを調べてはいたものの、あんま緊張していませんでした。」
のん
「演奏して、指摘されるうちに、やっぱこの人すごい人やって思いました。」
マドカ
「最初、私たちの演奏を聴いている姿勢がだんだんゆるなっていったので「寝てる?」と思ったら
曲が終わった途端
「今の音のなんとかがなんとかでなんとかやからね」みたいな。
え、起きてたん? みたいな(笑)」

ヒナ
「そうそう。(笑)」

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(レコーディング風景その1)

マドカ
「レコも朝はいって、そっから曲を録るんですけど
とりながら、じゃあここをこうしようとかも
すぐに反応できるほど技術ないから、何言ってるの?とかあったんですよ
そしたらむこうも「こいつらわかってないな」って気づいて
急にカウントが始まり、とにかくやってみろっていう流れになるんです
とりま練習しろみたいな。」

中川
「皆さんは独学なのでしょうか?」

一同
「ちょっと習いましたが、ほぼ独学です。
結成してからは、独学です。」

ヒナ
「正直、楽譜が読めないところもあるので、ほぼ無視していました。(笑)」

マドカ
「たぶんこんな感じやろみたいな感じでやっていました。
コピーのころは楽譜があったんですけど、難しい記号がいっぱいで。(笑)
むこうもすごい人やから
わたしらがどこまで理解できているか分かっていて、的確なアドバイスをしてくださりました。」

ワカナ
「指摘していただいたことは、チューニングは毎回する、コーラスはみんなでやる…と 今までやっていなかったことばっかりでした。(笑)」

マドカ
「やっぱ耳がすごいので、ちょっとのズレもすぐにバレて…
でも最後の方で、自分らでも気持ち悪いってわかるようになってきたんですよ。
1日目に楽器の音を録って、2日目に声を録りました。
今まではコーラスはじーじがひとりでやっていたんですけど、それもみんなでやれって。
何回も音を重ねて、コーラスを録るみたいな。それも初めてでした。
今まで、そこまでコーラスの重要性がわかってなかったんですが、
「コーラスすごい!」ってなりましたね。(笑)
私は、特にコーラスとかじゃなくて楽器が最優先やろって思っていたのですが、コーラスでこんな変わるんやってなって。」

のん
「曲は大いに変わりました。テンポの取り方も全然違うくて…
何もかも初めてのことばかりでした。」

ヒナ
「ただ、歌はほぼ変わってないです。めっちゃ自由にやらせていただきました。
「まぁええんちゃう?」みたいな。(笑)」

ワカナ
「でもすごいのが、日本語のところでもちゃんと直してくれてたよな。この音ちがうやんみたいな」

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(レコーディング風景その2)

中川
「そこで何曲作ったのでしょうか?」

一同
「4曲です!それが8月に出るんです!」

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2016年8月10日発売
2ndミニアルバム『COME BACK TO 19』

帰国後のバンド意識

中川
「一気に新しい価値観を得ることができたと思いますが、帰国してからは、何か変わりましたか?」
ヒナ
「あんまり変わらず?(笑)
意識はもちろん変わったけど、気持ち的にはあんま変わりませんでした。」
のん
「わたしは次のライブが楽しみでしたね。」

マドカ
「3月28日に帰ってきて、29日がライブだったんです。
周りからは、「イギリスいってきたん!?」って言われましたが、私たちは案外普通でした。
実は29日のライブは散々でした。
今考えると、イギリスで経験したことの大きさに気づいて。
「いったいどんな契約したんや」「どんな音出すんや」「どんなすごいバンドなったんや」とまわりの期待も大きくなっていました。
個人的にすごいギタリストになってなあかんって想いが無意識にあって
そんなすぐに変わるもんじゃないとは分かっていましたが、焦りが出てきました。
で、みんなが思っている現実となってなきゃいけない理想にギャップを感じました。
そこから2週間くらい落ち込んでしまいました。メンバーが気付くくらい。
次にライブをすることが怖くなってしまったんです。
ひいちゃんものんさんもやけど、じーじが目覚ましくベースがうまくなっていたんです…
で、帰ってきてスタジオで言うことも次の段階にいっていて、
みんなめっちゃ変わっているのに、自分は変わってないって思って…すごい焦っていました。」
ヒナ
「自分たちでは分かりませんでしたが、周りからは変わったねと言われました。
個人的には、帰国して原点に戻った感じがします。
「いろいろ考えずに感覚でやればいいんや」というバンドを初めた頃の感覚を取り戻した感じです。
最初の方は、自分の選択を信じていたっていうか…
続けていくうちに、まわりの意見や曲以外のことを計画して、いろいろ考えてやらなあかんのかなって思っていたのですが、イギリスに行って、やっぱり自分の感覚を信じてやることがバンドにとって一番いいと気づきました。」
マドカ
「曲を作る時は、「次こんな感じちゃう?」
ってみんなで言うたら「そうかもな」ってなっていたのに、帰ってきてからは 「ひい、こうするわ!」ってなったんです。」
ヒナ
「ぶれへんくなったな。
いい意味で言えば、芯が強くなった。(笑)」

マドカ
「悪く言えば頑固になった。(笑)」

ワカナ
「わたしはそれ見て、今まで通りついていこうって思った。」

のん
「わたしも割と頑固なので、ひいとぶつかることがけっこうあって、ひいに言い返されても争うのがめんどくなって、何にも言わない時期があったのですが
自分の意見は伝えないとあかんなって思うようになり、
最近は言うようになりました。」

マドカ
「そのときに、ひいちゃんこんなに決意固めているのにわたしはできてないなってことがわかりました。 悩んでいた時期とかぶっていたのもあり、最終的に落ち着いて ひいちゃんがこんなに落ち着いてるから、一緒に進化していこうと思いました。」

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(ライブ前の円陣)

今後の目標

中川
「今後の活動ではどう考えていますか?」
のん
「わたしはイギリスに行ったことが大きくて、
「もっと世界中いろんなとこに行きたい」って思っています。
バンドとして。
その目標をたてたのが帰国後で、まだまだ駆け出しって感じです。」
ワカナ
「これからのことで、1番悩むと思います…自分の意思を固めていくつもりです!」
ヒナ
「とにかく今はもっと経験を積みたくて
ライブもそうやし、それも日本だけじゃなく、もっといろんなとこ行って
いろんな人とか文化に出会って、自分たちを磨きたい」
マドカ
「4人でバンドを続けるために、いろんな世界を広げたいです。
例えば、知識とか経験とか文化とかいろんなことを身につけていきたいです!。」
一同
「1人でも抜けたらバランスとれないしな。(笑)」
中川
「そのために、どういう曲を意識して作ろうとしていますか?」

ヒナ
「いつも、そのときしかこの気持ちにならないんやろうなあということを曲に書いています!」

マドカ
「あとから、「なんか昔思い出した」「この歌詞が心に響いた」など、言ってもらえるのが嬉しいです!なのでひいちゃんが言っていたとおり、今の気持ちを歌ってそれが聞き手にわたって、結果的に人の心に響くと嬉しいです。」

ヒナ
「いろんな人に聴いてもらって、なにかを感じてもらえれば幸せです。」

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(今年の夏もライブを重ねていくTHE TOMBOYS)

彼女たちの未来

中川
「最後に、皆さんの夢を聞かせてください!」
マドカ
「一通りバンドやって、満足したあと歳がくるじゃないですか?
そこからお店をしたいんです
これはみんな共通です。
30、40歳の話。
ライブハウスみたいにちょっと小さいバーみたいな…
音楽ができるスペースがあって、古着とか好きなので、それを売ったり…」
ヒナ
「それぞれ、好きなものがバラバラなので、好きなものを凝縮したお店を作りたいです」
のん
「で、お店をやりつつ、私らバンドまだやっていると思うんで、ライブの日には旦那に店番をやってもらって
自分らもそこのライブハウスにでたりして、やるっていう。」
ワカナ
「10年後も一緒にいるやろ。(笑)」
一同
「やろうな。(笑)」
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あとがき

中学時代、「何かしたい」と思っていたときに、偶然が重なりバンドが結成された。
しかし、「やりたいこと」が「できる」状況ではなかった。練習場所の問題、メンバー脱退の危機、活動休止…
幾度なく壁が彼女たちの前には立ちはだかる。そんな時には、
彼女たちはポジティブに物事を捉え、真剣に話し合い、励まし合う。
時には、言いたいことを言い合って泣くこともある。
時には、感動して泣くこともある。彼女たちの団結力の強さとキュートなキャラが、THE TOMBOYSの最大の魅力だ。できないと決めるのではなく、
やってみようという気持ちが大切だと改めて思いました。これからも、THE TOMBOYSのご活躍に期待しています!

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